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店長日記 中国上海ショーで感じた倫理(道徳)観の違い

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店長日記
2024.10.21

【店長日記 中国上海ショー 倫理(道徳)観の違い】

こんにちは。

10/20に書いた【店長日記 中華製品 魅力と危険】をたくさんの

方に御覧いただきました。誠にありがとうございます。

 

店長日記 中華製品 魅力と危険

反応をいただいた方は皆様。私の書いた意図を把握されていて

大変感謝しております。

 

私はメイドインチャイナを否定しているわけではありません。

綴っているように中国が物を作れるのも、その物が魅力的になってきているのも

間違いはないと考えております。

しかし、こと中華メーカーの姿勢と言う所に警鐘を鳴らしております。

 

メイドインチャイナであろうと、しっかりとした

日本代理店(日本メーカー)が入る事で、消費者に不足が無い商品は届くと考えております。

しかし、この日本代理店に関しても昨今は起業がある程度身近になった事で

言い方は悪いですが、誰でも日本代理店になれてしまう。と、言うのもあります。

 

自転車業界に従事して表裏を見て、その上で消費者のために行動をしている

日本代理店であれば、恐らく日本の消費者に私の思う

コストパフォーマンス(耐久性もあり、直せて、仕様、マニュアルが明示されている等々)が

高い物が消費者に届くだろうと考えております。

 

その時は日本のサイクリストに本当の意味で利便性の高い素晴らしい世界が

あると思います。

しかし、実現は相当にハードルが高いとも思います。

 

本日は今年5月の上海ショーでの一コマを共有します。

 

5月に私は上海ショーに向かうため、訪中をしました。

グレートファイアウォールをはじめとした情報統制が敷かれていて

日本人をカモにしている組織もあると言うのを事前に日本の自転車業界の

方々に聞いていたので、正直な話、憂鬱ではありました。

 

しかし、自分が日本のお客様に中国の製品を推奨するのであれば

本国の空気感と言うのは知っておくべきだと言う事を思い、意を決して訪中しました。

 

中国ではホテルに缶詰めを自身で選択し、

中国の仲間の用意してくれた食事やホテルで封をされたペットボトルの

水以外は口にしないで過ごしていました。

自身の身を守るためです。

 

そして上海ショーに向かいます。

実は道中でも仲間と日本語で会話していると付近の中国人は

こちらを怪訝な顔で見ているため、日本人としての自分の存在は

あまり良くは思われていないのだろうと覚悟をしていました。

 

そして、会場内で各メーカーに話をしていると、

道中の一般的な中国人の方々と違い、中華メーカーは

一転して日本人の私を丁重に対応をしてくれました。

 

彼らは何とかして日本マーケットを築きたいからです。

 

先程申し上げた、起業して間もない人間でも中国では貴重な

日本マーケットを築くためのきっかけとして丁重に扱われる事でしょう。

ここを自分は中国に求められていると勘違いしてはいけません。

まぁ、ある意味利用と言う風には求められているかもしれませんが。

 

私は中華メーカーの方々の

自社の商品を声高に魅力的に話す姿勢に、

必ず、

「ではこういうトラブルの時はどういう対応をしますか?」と、尋ねました。

10社以上と話した記憶がありますが、トラブルに対して回答をしたのは2社も

ありません。

そのうちの1社に関しては耐荷重に関しての質問をしました。

「このブラケットは5㎏まで耐えられるのですか?日本ではどんなに耐荷重が高くても1㎏

 を越える耐荷重は中々ないのですが、凄いですね。資料はありますか?」

そうすると中華メーカーの方は

「おお!資料あるよ。ほらtiktokで動画あげているよ見て!」

と、タブレットからtiktokの動画を見せてくれました。

そこには・・・

5㎏の鉄アレイをぶら下げて重さを耐えているブラケットの動画がありました・・・

私は、

「いや、わかるけどこれは静的荷重ですよね?例えば200gのメーターと200gのライトを

 この長さの先に取り付けて、段差とかの衝撃の動的荷重ではどうなのでしょう?

 自転車は動きますよね?」と、返すと、

中華メーカーの方は

「わかった調べとく!で、いくつ発注する?」

私は、

「いくらスペックが魅力的でもトラブルに関しての想定がわからないと日本に持っていけません。

 また、実験の結果がわかったら教えて下さい。」と、返しました。

中華メーカーの方は

「わかった!また連絡するよ!」

そして、半年近く経つ現在。連絡はありません。

 

私が一番信じられなかったのはショーが終わった後の各ブースの

風景でした。

わかりますか?

名刺交換した名刺をこのように雑に捨てて帰っています。

中国ではwechatと言うアプリでみんな連絡先交換をするので、

名刺は重要視していないと仲間は言っていましたが、

「合理化と粗雑は違うよ」と、私は仲間に呆れて言いました。

 

そして、まだ我々がいるのに目の前でこれらのブースは重機で

破壊されていきます。危ない・・・

 

私はこの倫理観と言うのでしょうか?

近しい言葉で道徳観?と言いますかね。

いくら物を作れてもやはり姿勢と言うのが大切だと感じます。

 

中国の製品はこれからは避けては通れない物だとも感じております。

繰り返しますが、中国が物を作れるのは間違いありません。

しかし、それが本当にコストパフォーマンスが良いものかどうかは

日本代理店が錬磨しないといけない事だと考えております。

連日のお耳汚し、大変失礼しました。