店長日記 中華製品 魅力と危険
【店長日記 中華製品 魅力と危険】
こんにちは。
ここ最近何度か綴っております中華製品についてですが
現時点での考えを再度綴ります。
まず、最初に私は中華製品をコストパフォーマンス抜群と言う
表記は自分はこれからは使わないようにしたいと強く考えております。
これは中国と関わらさせていただいて、自身の中国と中国製品への考えに色々な側面で
影響があったからです。
とはいえ中華製品の魅力と言えばコストパフォーマンスと言うのは
分かりやすい所なのは重々承知です。
大手メーカーと同等の品が近しいスペックで何パーセントオフで買える。
これは今の実質スタグフレーションに近い日本経済では魅力に映りますよね。
日本の所得が伸び悩んでいる事とEC等のボーダレスになったことが
中華製品を正当化しやすく買いやすくなっている一因だとは感じています。
しかし、私はこの魅力以上に下記に書きます危険と言う要因が多分に含まれた
方を懸念します。
何度も申しているかもしれませんが、中国が物を作れるのは
間違いありません。また、一見、その物も魅力的になっているのも
間違いはありません。
既存のナショナルメーカーの請負でノウハウを手にして、
それを中国が自分達でコピーをして作る。
倫理観はともかくとして競争と言う点で、作れる土壌を持つ所が
優位になるのはある意味仕方がないのかもしれませんね。
ただ、そのコピーも
完コピなのかオマージュなのかと言うと、少し考え方は変わると思います。
オマージュは作品に対して敬意や尊敬と言う念が含まれます。
これは人それぞれの主観に寄る所が大きいです。
まず、中国は根幹に大量生産、大量消費と言う考えがあります。
5月に上海に渡った時にシェアサイクルの動かなくなった物が
大量に道端に放置されているのを見て実感もしました。
物は作って売ったら終わりと言う考え方も多いと考えております。
例えば日本の企業で言えばSHIMANO。
あえて釣り具で載せますが、
このようにスモールパーツに番号がキチンとふられています。
製品の仕様がしっかりとわかると言う事です。
また、マニュアル・手順書。
そしてどのようなグリスを塗るか等の補修部品も拡充されています。
自社の製品に対する誇りを強く感じますね。
反して中国ではこういった仕様書やマニュアル・手順書や補修部品を
用意をしていない事が殆どです。
理由を本国に尋ねると
「盗まれるから」と、言う答えがあった事もあります。
また、中国の顧客は店舗でも消費者でも壊れた時にどうやって対応をしているのか?
と、尋ねると
「なんとなく直して使う。だめならまた新しいのを買う」
と、言う答えだった事もあります。
自社の製品に誇りがあれば、自社製品をなんとなく直して使われると
言うのは何よりも避けたい事のはずです。
ここに作って終わりの完コピなのか
自社の考えを乗せ敬意のあるオマージュなのか
と、言う姿勢もあるように感じます。
中華製品が壊れた時にメーカーに相談をすると
直し方や対応策ではなく、新しい物を送ってくると言う事が
多いです。
これは決して親切ありきではなく、直すのが面倒だから
新しい物を送っておけと言う考えもあります。
実際、対策が取られていない新しい物が送られても
再度また同じ問題になる事でしょう。
その問題がロットで起こっているのか?
人的な問題なのか?はたまたリコールなのか?
そういった事を検証する中国企業は殆どないように感じます。
ここで人的問題に関して少し掘り下げていきます。
中国は手順や指示書を守る事はほとんどないと考えてます。
監視する人間が日本人なり、本国の管理が出来る人間なりでいないと
まちがいなく製品のクォリティは下がります。
だから日本企業は中国に人材を送り込む事がありますね。
そして、仮に本国で管理が出来る人間がいてくれたとしても
日本と比ではない速度で人材の流出が速い国ですから、
ヘッドハンティングなどですぐに引き抜かれてしまいます。
工場長クラスでも簡単に移動します。
こうなると良い方にも悪い方にも振れるので、製品が安定しないと
言う所は手順等の約束事を守らず人材流出が速く多いと言う問題が
大きいと感じております。
ですので、私は中華製品を扱うとしたら本国の工場や給与体系など、
人材の維持に対してどこまで気を使っているかを見たいと考えております。
こういった事が安易にコストパフォーマンスと言う見た目=ハリボテだけを
見る事が危険だと感じています。これは実際に中国企業に関わり、中国を
見て来た事によって改めて自分の中で考えが出来た事です。
これまでは不勉強な所もあり、単純にスペックだけでコストパフォーマンスが
良いと、言う紹介もしてきましたが、実際のコストパフォーマンスでは
プロと違い支給されているわけでも無い一般層は耐久性や修繕等、そういった
アフターが何よりも大切だと感じます。
そして、日本企業程のアフターへの姿勢は今は中国には無いと私は断言します。
ですので、一見魅力のコストパフォーマンスだけで紹介するのは危険だと捉えているのです。
中国との関わりはこれからは中々避けては通れない物なのかもしれません。
しかし、物や仕事への考え方、お国柄の背景等。
色々な側面から関わり合いを考えていかないと大変な事になるとも感じております。